IT講習会テキスト(1) 講義


   [第1章]    視覚障害者のコミュニケーション

 [第2章]    視覚障害者とパソコン

 [第3章]    視覚障害者のパソコン環境

 [第4章]   視覚障害者向けIT講習会について

 [デモ]      デモンストレーション


第1章 視覚障害者のコミュニケーション

第1節 視覚障害者とのおつきあいで配慮すべきこと
  1. 一口に視覚障害者といっても全く視力のない(全盲)人から視力の少ない(弱視)人まで多種多様
  2. 場所や方向の表現は具体的に、方向を時計の文字盤に見立てて何時何分の方向など。 「あれ」「あそこ」等の表現は避ける(方向を時計の文字盤に見立てるなど)
  3. 「何をしてあげましょう」より「何がしたいのですか?」
  4. 手引きをするときは、相手に自分の肘を持たせ、相手の歩く速度に合わせ、半歩前を歩く

第2節 視覚障害者と文字
  1. 普通文字の触読から点字の考案へ
  2. 点字・拡大文字・録音などによる多様な対応

第3節 音声での情報収集
  1. メリット(特にパソコンでは、「スクリーンリーダー」の開発により、誰もが安価でリアルタイムに情報を得られるようになった)
  2. デメリット(脈絡なく全ての情報が順番に入ってきて頭に残りにくい)

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第2章 視覚障害者とパソコン

第1節 視覚障害者と情報障害
  1. 色々な配慮や努力の成果はあるが、私の必要な情報は?
  2. ビジュアル化していく社会(銀行・携帯電話・家電製品が使えない)
  3. バリアフリー(障害を取り除く)→ユニバーサルデザイン(共用)

第2節 視覚障害者がパソコンで何ができるのか
  1. インターネットを介したホームページ・メールによる情報の送受信
  2. OCRソフトによる紙に書かれた活字データの取得
  3. ファックスの送信
  4. ワープロや表計算ソフトによる文書作成及び事務処理
  5. 住所録管理ソフト等によるデータ整理
  6. テキストデータの点訳、点字データの作成・編集
  7. 音楽編集等趣味への活用

第3節 視覚障害者のパソコン利用を阻むいくつかの問題
  1. 「スクリーンリーダー」によって得られる情報は少ない
  2. 使用可能な機器が限られており、どのような機器をそろえればよいかが一般的に知られていない
  3. アプリケーションソフトについても上記と同じことがいえる
  4. 基本的には操作は全てキーボードから行うが、操作が煩雑になったり制限を伴うことが多い
  5. トラブルの解決が独力では難しい

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第3章 視覚障害者のパソコン環境

第1節 パソコンは何が良いか
  1. 「スクリーンリーダー」とパソコンやOSの相性を考慮する
  2. 点字入力を行う場合にはキーボードの特性にも配慮する
  3. ノートパソコンであれば、多くの人にサポートを受けることが可能である

第2節 音声・点字化ソフト(スクリーンリーダー)
  1. 現在4種類のソフトが市販されており、画面上の主にテキスト部分を動作に応じて自動的に、または、ユーザーの操作によって任意に音声または点字で出力することにより情報を提供する
  2. 価格帯・使い勝手等それぞれ特徴がある
  3. 最初に出会ったものを使用するようになる傾向があるが、パソコンの習熟度や目的に応じ選定する

第3節 市販のアプリケーションソフト
  1. グラフィックを多用したり、画面のレイアウトが複雑なソフトは操作が難しい
  2. マウス操作を多用するソフトは操作が難しい
  3. 画面の表示方法によっては「スクリーンリーダー」が対応できないソフトもある
  4. ある種のソフト(ワープロ・表計算ソフト・メーラー・ブラウザ等)の一部に関しては、「スクリーンリーダー」の開発段階で、より使いやすくなるよう読み上げ機能に工夫がされているものもある

第4節 視覚障害者用に作られたアプリケーションソフト
  1. 点字キー入力やマウス操作をキーボードに代行させるような基本ソフト
  2. キーボードのみで操作可能なアプリケーションソフト
  3. 「スクリーンリーダー」を使用して各種の情報が得やすいように工夫されたアプリケーションソフト
  4. 独自に音声や点字出力をサポートしたアプリケーションソフト

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第4章 視覚障害者向けIT講習会について

第1節 講習会の具体的目的
  1. ホームページ閲覧の体験を中心にパソコンで何が出来るかを知る
  2. 「キーボードガイド」「ウチコミくん」を使ってフルキーボードの配置を知り、機能キーの簡単な操作を理解する
  3. ホームページの構成、音声ブラウザ(IBMホームページ・リーダー)の操作法使用法の初歩を理解する
  4. 音声対応メーラー(MMメール)でメールの送受信を体験する
  5. エディタ(ワードパッド)を使用し、文章入力や編集を体験する
  6. ウインドウズのOSやアプリケーションソフトのメニューの構造を知る
  7. 全般を通して、スクリーンリーダー(PC-Talker)の扱いになれる

第2節 講習は基本的にはマンツーマンで


第3節 専門用語(特に英語)はできる限り少なくする


第4節 パソコンの各部やキーボード上のキーの位置などを説明するときの注意
  1. 全体像を確認してもらった上で、目的のキーがどこにあるかを理解してもらう

第5節 点字と墨字の違いを理解する(仮名遣い、長音、濁音や拗音の問題)
  1. 点字表記では、助詞の「は・へ」は「わ・え」を用い、「ように」は「よーに」、「さとうたろう(佐藤太郎)」は「さとーたろー」と表記
  2. 点字表記では、濁点は文字に前置し、拗音(きゃ)等にも濁音のような符号、数字には前置する符号がある

第6節 漢字を使ったことのない人に教える時の注意
  1. 偏や旁による説明は避け、音訓の比較で説明したり、単語・熟語を例に説明する

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付録 デモンストレーション
  1. 漢字変換の実際(同音異義語をどう判別するのか)
  2. 大きな文書の中での検索
  3. MLでの情報の交換を紹介
  4. 新聞社のホームページを閲覧してニュースを聞く
  5. 「声の花束」からダウンロードした週刊誌の音訳を聞く
  6. その他、視覚障害者にとって有益なホームページや視覚障害者関連のホームページを紹介する

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